退職してもすぐに受けられる補助金は?失業保険はいつもらえる?

失業保険(失業給付金)は転職活動の質を上げるためにも活用するべきです。

今回は、失業してしまったときに国から支給される失業保険(失業給付金)について紹介します。
失業保険(失業給付金)の意義や目的、給付のための条件、受け取り方法、支給金額などについて解説していきます。

目次

日本には失業保険(失業給付金)というセーフティーネットがある

今いる会社・組織を抜け出して、期待と不安を抱えながら未知なる環境に自ら飛び込んでいく――好む好まざるに関わらず多くの人の人生にはそんな局面がやってくるものです。

この局面を迎え、もし自分に小さな子供など扶養すべき者がいたらどうでしょう。

「彼らを路頭に迷わせるようなことがあってはならない」
「何としても自分たちの生活が維持できる手段を見出し、展望を拓いていかなければならない」
と切迫した心境になってしまうのではないでしょうか。

一方で、新しいスタートを切るためには準備が必要です。

その準備とは、進むべき業種・業界、通勤へのアクセス、確保すべき収入など、ここは譲れるここは譲れないといった条件面での境界線をある程度自分の中で明確にしていく作業です。

この準備はこれまでの自分の生き方を綿密に見直すとともに、これからの展望を見定めていく作業でもあります。
だから、じっくり取り組む必要があり、どうしてもある程度時間がかかります。
とくに目の前の職務に専心従事していた中で突然の転職を余儀なく迫られた人にとっては、気持ちの立て直しに時間がかかり、つらく厳しいものとなりがちです。

それでも前を向いて進むしかありません。

私たちの生きる資本主義社会では会社・組織(法人)を構成する人員の入れ替えが絶えず行われるのが定めなのです。
そんな資本主義国家である日本においては、一時的にではありますが、会社・組織を離れた人たちに対する救済措置を整備し、資本主義社会の維持・継続を図っています。

その一環としてあるのが「失業保険(失業給付金)」なのです。

失業保険(失業給付金)を受け取るには条件を満たす必要がある

さて、この失業保険(失業給付金)ですが、退職・失業後に受け取るには下記に示した前提条件があります。

<失業給付金を受け取るための前提条件>

  • 会社が雇用保険に加入しているか
  • 雇用保険の被保険者になっているか
    (=1週間に20時間以上そこで働いているか、またそこで1か月以上働く見込みがあるか)

これらは会社が当然すべきことなのでまず心配する必要はありませんが、もし会社の給与明細に雇用保険の項目欄がない場合、加入手続きをしていない可能性も考えられます(こんなことをするのはもちろんブラック企業です)。

この場合、ハローワークに連絡すれば加入状況を確認できます。
また、もし未加入であることが判明した場合、会社に対して本来加入すべき時期まで遡る形で被保険者としての権利を取り戻すこともできるということを念のためお伝えしておきます。

退職理由で違う失業保険

まず失業保険(失業給付金)の支給対象者として、会社都合退職者は自己都合退職者に比べて優遇されています。

ここからは失業保険(失業給付金)の施策意図が読み取れます。
すなわち、失業保険(失業給付金)の目的は、被雇用者の救済策であり、社会情勢等で仕方なく退職した人に対しては積極支援するが、個人による自発的な退職を積極支援するものではないということです。

会社都合で退職した場合

会社都合退職は自己都合退職よりも優遇されており、2~3ヶ月早くに失業保険(失業給付金)をもらえます。

申請後1ヶ月半くらいで失業保険(失業給付金)が支給されます。

会社都合による失業保険(失業給付金)は、雇用保険の被保険者期間が6ヶ月を経過すれば受け取れます。

自己都合で退職した場合

たとえば1年以上勤めた会社を自己都合で退職したとします。
この場合、国から失業保険(失業給付金)は出るのですが、もらえる時期は申請後3~4ヶ月半くらいあとになります。

自己都合における失業保険(失業給付金)の場合、雇用保険の被保険者期間12ヶ月を経過した人でないと受け取れません。
つまり、自己都合で辞める場合、その会社で1年以上は働いていないと失業保険(失業給付金)がもらえないのです。

これらのことから、失業保険(失業給付金)は、「退職の理由が自己都合か会社都合かで支給される時期と期間が変わる」ということに加えて、

  • 勤務期間の長さに応じて支給期間の長さが変わる
  • 退職時の年齢によって支給期間の長さが変わる

といった性質があることもぜひ覚えておいていただきたいと思います。

支給期間については下記の表にまとめてあります。

自己都合でも会社都合扱いになる退職がある

実際に会社に勤め続けることで出てくる仕事内容、職位、給与などへの不満。それが溜まっていくと転職したいという気持ちが頭をもたげてくるものです。

しかし、こうした自分の欲望が満たされないことへの不満を原因とする退職は自己都合退職とみなされます。

一方で、自己都合退職でも会社都合扱いになる退職があります。
そのような例を以下に見ていくと、

  • 病気や身体機能の低下が顕著になっている
  • 父母の介護・看護をする必要性に迫られている
  • 結婚のため引っ越さなくてはならなくなった
  • 子育てで勤務の継続が難しくなった
  • 労働基準法を守っていない
  • 給料が遅延しているのに払ってくれない

などが挙げられます。

労働基準法の具体的な内容として、以下のように残業が多い場合は証明をすることですぐに失業保険(失業給付金)の受給が可能です。

  • 退職直前6か月のうち、3か月連続して月45時間以上の残業があったとき
  • 退職直前2か月~6か月の平均残業時間が月80時間を超えるとき
  • 1か月の残業時間が100時間を超えるとき

このような理由で退職する場合、「正当な理由のある自己都合退職」という区分となり、会社都合退職と同じ扱いとなります。

「正当な理由のある自己都合退職」の確保を!

実際のところ、「今の仕事に展望が持てない」、「今の給料では生活できない」などの理由で転職をしたいと思っても、それをそのまま会社にぶつけて退職の意志を示し、自己都合退職として退職するのは得策ではありません。
扶養すべき家族をもつ人ならばなおさらです。

次の就職先や働き方が決まっていない状況で転職活動をするならば、今勤めている会社との良好なコミュニケーションに努め、何とかして「正当な理由のある自己都合退職」という名目を得ることが、最善策となるのではないでしょうか。

ちなみに失業保険(失業給付金)の受給金額は勤務していた会社の収入にもよりますが、正社員で働いていた人ならば1日あたり5,000~8,000円程度です。
支給額は日額×28日で算出されますので15~20万円程度ですが、このお金が給料のように定期的に入ってくるのです。

失業時期はどうしても気持ちが焦ります。
でも焦って転職すれば、労働環境・給与面などで妥協を強いられたり、自分の適性と職場・業務内容とのミスマッチが起こったりしやすくなります。

こうしたことを避け、より満足度の高い転職を果たすには、自分のキャリアやスキルの棚卸といった自己点検作業に加え、進みたいと考える業界・業種に対するリサーチや新ステージに臨む心構えが必要となります。

「正当な理由のある自己都合退職」の確保により「早め、かつより長期間にわたる失業保険(失業給付金)の受給」というセーフティーネットが確保できれば、収入の途絶える不安を多少なりとも払拭できます。
これにより適度なゆとりが生まれれば、よりよい充電と転職活動が行いやすくなると思われますがいかがでしょうか。

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